本記事では2025年シーズンに新加入することが発表された大卒選手についてまとめる。
中村草太 / FW / 22歳 / 前所属:明治大学
明治大学では2023年シーズンから2年連続での得点王とアシスト王をW受賞しており今季Jクラブに加入する新人選手の中でもトップクラスに注目度の高い選手となる。以前から注目の存在で2024年にはサンフレチェ広島、浦和レッズ、横浜Fマリノスのキャンプに参加し、複数クラブでの争奪戦が予想される中で同年5月にサンフレッチェ広島への加入内定が発表された。広島を選択した理由としてオールコートマンツーマンでの守備と奪ってからの速攻という戦術が明治大学と一致している点や馴染みやすいチームの雰囲気が決め手となったようだ[*1]。選手としての特徴は2トップの一角や左サイドを主戦場とし、抜群のスピードを活かした裏抜けやドリブルを大きな武器としている。オフザボールとオンザボールの両方で輝くことができ、2024年の関東リーグでは自身の得点の約半数をスペースへの抜け出しから獲得し、ボールを持てばドリブルでエリア内に持ち運んでのクロスからアシストを量産している([*2, 3])。抜群のスピードは前からのハイプレス守備でも脅威を発揮する。2024年関東リーグの第8節桐蔭横浜大学戦での1点目がその典型で、自らのハイプレスで引っ掛けたこぼれ球を味方から受けて得点している。
広島ではシャドーのポジションが主戦場になると思われるが2022年シーズンの満田のように左WBのポジションで出場する可能性もあるだろう。先述したように大学時代と似たスタイルの戦術で戦う広島ではチームに馴染むという面では大きなアドバンテージとなるのではないか。39番を背負ってスタートするルーキーイヤーは同じく大卒で同じ番号を背負って大活躍し1年目からチームのエース格に成長した満田のような飛躍のシーズンになることを願っている。
*1 https://www.football-zone.net/archives/566189 大学で覚醒「びっくり」…周囲も驚きの急成長 プロ争奪戦に発展、J内定逸材が狙う「偉業」
*2 https://www.youtube.com/watch?v=6RKxmBFKumw (1:31:17) 関東大学リーグ第2節 明治大関東学院大学 中村草太得点シーン
*3 https://www.youtube.com/watch?v=Y8UuSSodD9M (1:26:4) 関東大学リーグ第3節 流通経済大学 vs 明治大学 中村草太アシストシーン
ヒル袈依廉 / GK / 22歳 / 前所属:早稲田大学
ヒル袈依廉(ひるかいれん)は鹿児島県出身の身長194cmを誇る大型GK。世界基準の高さと手足の長さを活かしたシュートストップを武器としている。複数クラブからのオファーが届く中で広島に加入することを決めた。広島を選んだ理由としてJ1屈指のGKが揃っていることの他に地元の先輩で日本代表GKである大迫敬介の存在が大きく影響し、レベルの高い環境で成長してくために選んだと語っている[*1]。また広島には大学在学中に練習参加の経験もしている。中学年代では中体連の全国大会で準優勝の経験、高校年代ではU-17日本代表、大学年代にはU-22日本代表候補に選出されており各年代で実績を積んでおり国際舞台での経験も持っている。
2025シーズンはGK4人体制で始まるが現状の1番手は大迫と予想され、たった1つのポジションをめぐった厳しい争いが始まる。ただし彼が4人の中でも随一のポテンシャルを持っているのは間違いない。覚悟を持って臨むプロの世界で新たなチャプターが始まる。
*1 https://web.gekisaka.jp/news/university/detail/?406929-406929-fl [関東2部]複数クラブが獲得に乗り出した早稲田大GKヒル袈依廉、広島入団の決め手「同郷の先輩への憧れ」「GKコーチとの縁」